2023年9月 社会保険労務士について

社会保険労務士の長谷川です。

10月は8月に行われた社会保険労務士試験の合格発表が行われます。合格し、社会保険労務士として登録すれば、労働法や社会保険に関する専門家としての活動が可能になります。しかし、社会保険労務士の役割や仕事内容は多くの人にとって未知のものかもしれません。今年度の社会保険労務士試験の問題を通じて、その仕事の一端をご紹介します。

第55回(令和5年度) 社会保険労務士試験 選択式問題※一部抜粋

  (問1 労働基準法及び労働安全衛生法

3 最高裁判所は、マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において、上記一定の時間が、管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるか否かが問題となった事件において、次のよ うに判示した。「労働基準法 32 条の労働時間(以下「労基法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が不活動時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである〔…(略)…〕。そして、不活動時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱してい るということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障さ れていて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって、不活動時間であっても [ C  ] が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。 そして、当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、[ C ]が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である」。

マウス重ねて回答を確認.. C:労働からの解放

コメント:具体的な判例からの出題です。不活動時間や待機時間は労働なのか労働ではないのか。なかなか難しい問題ですが、社会保険労務士を目指すのであれば正答したい問題です。

  (問2 労働者災害補償保険法

1 労災保険法第14条第1項は、「休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による[ A ]のため労働することができないために賃金を受けない日の第[ B ]日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の[ C ]に相当する額とする。ただし、労働者が業務上の負傷又は疾病による[ A ]のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日若しくは賃金が支払われる休暇(以下この項において「部分算定日」という。)又は複数事業労働者の部分算定日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額(第 8 条の 2 第 2 項第 2 号に定める額(以下この項において「最高限度額」という。)を給付基礎日額とすることとされている場合にあつては、同号の規定の適用がないものとした場合における給付基礎日額)から部分算定日に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあつては、最高限度額 に相当する額)の[ C ]に相当する額とする。」と規定している。

マウス重ねて回答を確認..A:療養 B:4 C:100分の6

コメント:労働災害が発生した際には社会保険労務士が書類作成を行いますので、顧問先の業界によってはよく目にする項目です。労働に伴い発生したものは労災ですので、会社に必ず相談するようにしましょう。

 (問4 労務管理その他の労働に関する一般常識

3  最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度 である。仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされる。したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはならない。また、地域別最低賃金額以上の賃金を支払わない場合については、最低賃金法に罰則 (50 万円以下の罰金)が定められており、特定(産業別)最低賃金額以上の 賃金を支払わない場合については、[ D ]の罰則(30 万円以下の罰金)が科せられる。

マウス重ねて回答を確認..D:労働基準法

コメント:前回記事にした最低賃金に関する問題です。罰則は最低賃金法ではなく労働基準法で定められているというなかなか細かい観点での出題です。

 (問5 社会保険に関する一般常識

4  小学校修了後中学校修了前の児童 1人を監護し、かつ、この児童と生計を同じくしている日本国内に住所を有する父に支給する児童手当の額は、1か月につき[ D ]である。なお、この児童は施設入所等児童ではなく、父の所得額は所得制限額未満であり、母の所得は父の所得を下回るものとする。

マウス重ねて回答を確認..D:10,000

コメント:出産・育児にかかわる人にとっては気になる話題です。2人目以降の子どもの場合はどうなるのかなど細かく設定されており暗記必須の項目です。

労働に関する法律に精通し、労働者の職場環境を守りつつ会社の発展を支えたり、このように社会問題のひとつである少子化の解消に向けて国が推進している取り組みを広く適切に活用してもらえるように情報発信や手続きを行う。これが社会保険労務士の業務・使命の一端です。

【詳細資料】
  社会保険労務士試験オフィシャルサイト|第55回(令和5年度)社会保険労務士試験についての情報
 
https://www.sharosi-siken.or.jp/results/

社会保険について相談がありましたらお気軽にご相談ください。

社会保険労務士法人SanRin 社会保険労務士 長谷川 真生

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